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映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その6)

・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その6)

 

(*作業中)

 

 

(M)原子力発電は、本当に安いのか?‥大島堅一さんのお話‥

 

・「原子力発電を止めることが、いちばん経済的」と話されたのが印象的。

 

・安全対策費も立地対策費も計算外(原発の発電コストに含めない)であるので、原発の電気料金は見かけ安く見えるだけだ。

 

・今回の、いまだ継続中の福島第一発電所によって、その事故処理費が莫大であることがはっきりした。‥2014年現在で13兆円がかかるとされており、メルトスルー溶融燃料がどこにあるのか把握もできていない状況下、廃炉、その先、気の遠くなる年月にわたって管理を必要とするの大量の汚染土・核廃棄物を勘案すれば‥20兆円が現実的であるが‥本当のところは、これらにかかる費用は青天井である。

 

 

(*気になるのは‥この4年間にわたる「復興」の名の下の「除染」[小出裕章さんの言うところの移染]によって‥ゼネコン・土建屋さんグループが、[原発は事故も商売になる]という常識もってしまったのではないかということ‥)

 

 

 

 

(*‥以下‥先日、ある「脱原発」を装ってる‥と僕がかってににらんだ‥ブログに書き込みしてみたら‥30件くらいの反論?を受けた。‥その趣旨はほとんどが‥

 

「なんだかんだいっても、原発‥安いいよね‥原発止めたら、電気料金高くなる。‥再稼動して電力会社儲けさせて、その儲けを廃炉費用に回した方が現実的で、”脱原発”への近道」

というようなものだった。反論するのもバカらしくやめた。

‥この「原発は本当に安いの?」については‥以下で‥

 

福島みずほ対談28 大島堅一さん「原子力発電費用は安くない」>

youtu.be/87NsvBNWitE

‥によって、もう少し考えてみることにした。

 

 

 

大島堅一さん(立命館大学環境経済学

 

(*以下‥悪意はないのですが‥相当に僕の個人的解釈によって口調や内容が変更されてしまってるかもしれません。)

 

福島:

・再処理の費用は18兆で直接処理よりはるかに高くつくと2000年代に国会で追及したが、当時は関心を持たれることがなかった。

 

大島:

モデル計算上は原発コストは5.3円(1kw/hか?)とされているが‥様々発電コストがこのモデル系さんからは外されている。

 

(ⅰ)電源三法による地方交付金が入っていない

(ⅱ)もんじゅの研究開発費、もんじゅの事故後の維持費などは入っていない。(近年ようやく、再処理関連の費用は、一部電気料金へ組み込まれただけである)

 

・しかし、以上のコストは別の形・国の税金として徴収されている。

 

 

 

大島:

・再処理の費用はほとんど電気料金に入っていなかった。再処理だけで11兆、バックエンド処理費を含めると18.8兆のごく一部が電気料金を算出する際のコストとされているだけだ。‥これらのコストは国の事業であるので、税金の形で徴収されている。

 

・再処理費用の18.8兆は、あくまで六ヶ所再処理工場でかかる費用である。

 

‥(*六ヶ所再処理工場は度重なる事故のために現在稼動していないが、もし仮に(絶望的だが)万一稼動できたとしてもその処理能力は、600トンでしかない。‥しかるに、3.11福島第一原発事故以前の列島全原発から出る核廃棄物は少なくとも1000~1600トンなので、‥六ヶ所再処理工場以外に処分施設が考えられなくてはならないはずだが‥もちろんそんな費用は勘案されていない)

 

 

 

大島:

・もう一つ、福島第一原発事故でも‥①廃炉費用②住民保障③労働者被曝‥などは、原発の発電コストとして勘案されていない。‥しかし、現在も継続中の福島第一原発事故を見れば、この①~③にかかる費用は、青天井であると予想される。

 

(*「原発再稼動によって電気料金の高騰を、抑えました」という見せかけの宣伝がなされ、‥実質的には増税という形で原発事故後始末のコストを払わされる。)

 

 

大島:燃料費高騰は、原発を使わないのだから増大するのは当たり前。‥しかし、そのような論者は、原発を廃止した際には(*以上のように累々述べてきた)経費経費がおおきく節減されることには言及しない。

すくなくとも‥現在電力9社が‥原子力発電にかける経費は‥年間1.7~1.8兆円‥はいらなくなる。

 

 

(*一時期、安倍首相が「原発停止と、それに起因する燃料費増大による’国富’の損失は3兆円」となかば人々を恫喝するように言い放ってたが‥この件については、河合弁護士が『日本と原発』の後半で論破している。)

 

 

大島:産業流出論への反論

 

・企業が海外へ移転先を求める理由の最大要因は‥(ⅰ)人件費が安いこと(ⅱ)移転先の市場規模。

 

・電力コストの増大を理由として海外移転およぶなどということはない。‥つまり‥

「統計的に見て、主要産業の総製造コストに占める電力コストの割合は1~2%でしかない。」

 

・仮に電力コストが10%上がったとしても、全製造コストに占める増大は0.1~0.2%である。‥これに比べたら、為替の変動の方が‥産業個別の差はあるがマクロで見ると‥よほど大きく響く。

 

福島:もうアルミ産業のように、電力コストの割合が膨大な企業は、とっくに海外移転を終えてしまっていますしね‥

 

 

大島:個別産業で言えば、この国で大きな雇用を抱える自動車産業における電力コストは1%未満です。

 

福島:自然再生エネルギーは今まで普及してなかったこともあり、初期投資はたしかに大きいが、一度テイクオフできれば以降はどんどんコストが下がって行く。

 

(*一方原子力発電では‥社会的システムが出来上がっていて、見かけは安く見えるが、法律に守られ、システムのなかで間接的に諸費用が払わせられている)

 

 

大島:その意味で固定買取制の法制化の意味は大きい

(*固定価格制度、フィードインタリフ制度、電力買い取り補償制などとも呼ばれる。地球温暖化への対策やエネルギー源の確保、環境汚染への対処などの一環として、主に再生可能エネルギーの普及拡大と価格低減の目的で用いられる。設備導入時に一定期間の助成水準が法的に保証されるほか、生産コストの変化や技術の発達段階に応じて助成水準を柔軟に調節できる制度である。適切に運用することにより、費用当たりの普及促進効果が最も高くなるとされる。

世界50カ国以上で用いられ、再生可能エネルギーの助成政策としては一般的な手法となっている。その一方、価格の設定次第で普及速度が過小もしくは過大になる危険性がある。

*‥菅内閣末期、2012年7月1日、対象を太陽光発電以外の再生可能エネルギーにも拡げ、余剰電力買取制から全量買取制に制度を変更(全国一律の回収単価)された。‥‥wikiより)

 

 

 

 

 

大島:固定買取制の法制化の意味は大きいが、発送電分離がなされないと、電力が地域独占が続く限り、固定買取制がスムーズに機能しにくい。

 

(電力の地域独占:[「電力自由化」はなされているというが、新規電力会社は売電・小売をできるわけでない]

発電→送電→配電→小売が直列的に10大電力によって独占されているために、ある地域で電力が足りず、しかもまたある地域では電力が余っていても、余剰電力が融通されることがない。‥この理由で、各独占地域電力会社は余剰をもちたがらず再生エネルギー等の買取が進まない現因となる。)

 

(*個人的には‥一概に発送電分離だけで、この問題を語るのは危険かもしれないと思う。‥この件については、『日本と原発』後半で‥”御当地電力会社・市民発電所への取り組み”‥について、飯田哲也さんのお話がある)

 

 

 

福島:では、なぜそのような経済合理性のない原子力発電がなぜ続けられてきたのでしょう?

東電の広告費は約80億円で、しかも電気料金に組み込まれている戸言うような、電気料金体系の問題もある。

‥なぜ、原発を持つ電力会社だけが、今回の原発事故事故保証の限度額設定や、いわゆる電源三法などでで守られてきたのかというのが疑問です。

 

大島:‥保険会社の原発事故保証に限度額を設けると言うことを政府が言い出すということは、それ自体が原発は市場原理の中では無理だということを表している。

‥市場原理に任せておいては原発を持つ電力会社はやってゆけない。たとえば、これからどれくらい続くかわからない福島原発事故のように原発事故保証、事故処理費は青天井な訳だから、青天井部分は財政、つまりは国民の税で補うことにしようとしているわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(N)飯田哲也さんのお話

 

 

・「3.11以前の日本では、メディアに”原子力ルネッサンス”といった言葉が躍り、あたかも世界全体で原発の復興期を迎えていたかのように考えられていました。

ところが現実には自体は全く逆の方向に進んでいたのです。図表1は、これまでに世界全体で建設された原発の時期と総量を示したものです。これを見ると、今後、世界的に原発は急速な縮小機を迎えていくことがはっきりわかります。これは、初期に原発を建設した米国・日本・欧州で、いずれも原発が急速に老朽化(経年劣化)しているからです。

 

 経年劣化による事故を回避するために、原子力発電所には寿命のようなものが与えられています。その年数は世界各国でばらつきがあるのですが、日本では耐用年数は当初30年とされ、その後10年の延長を含めて40年と考えられてきましたが、近年は特段の根拠もないまま寿命を60年にする動きもありました。

 

ところが、これまでに世界で閉鎖された原発の平均寿命は22年です。」(飯田哲也著『エネルギー進化論』)

 

 

 

・北海道浜頓別町にある1000kwの市民風車は「総事業費は2億円で、補助金は1円も入っていません。採算はもちろんとれていて、10年間続けて約3%の年間配当」を出している。(同上)

 

 

飯田市の市民発電所

このプロジェクトの準備段階から飯田さん(同名でややこしいが‥)もかかわっている。

 

2004年市民出資の発電所は、デンマークの環境エネルギー事務所(p168~170に詳述)をモデルとしており、地域における自然エネルギーの推進拠点めざすのは‥以下の3点

(ⅰ)ベンチャー企業のようなエネルギー事業の機能

(ⅱ)地域コミュニティーとの関係を作ることの機能

(ⅲ)自治体との政策協力や提案というシンクタンク機能

 

ファイナンス面としては、主な出資は市民出資、環境省補助金。足りない分を飯田市、長野県、そして全国から出資を募った。‥その結果1ヶ月間で合計2億円のファンドが集まった。

 

200kwくらいの規模で事業を開始、今では2000kw超えの発電所に成長。‥”ゼロ円ソーラ”‥一般の方に初期投資ゼロ円で太陽発電の設置を進める事業などの新しい仕組みも生み出している。

 

ある程度成功はしているものの‥プロジェクト実現には行政的、法的にかななりの困難を伴った。‥

このプロジェクトの中心を担った「おひさま進歩エネルギー株式会社」さん

http://www.ohisama-energy.co.jp/diary/pg231.html

 

 

 

・LEDの話

 

原子力発電所では、核分裂エネルギーでお湯を沸かし蒸気を作り→タービンを回して電気を生み出すが‥この過程で、最初100あったエネルギーのうち50パーセントが失われる。さらに、→原発は危険なので発電所の所在地と電力の消費地の距離が極端に離れているために、その間を結ぶ送電ロスが発生し‥さらに10%が失われる。なので、当初の核分裂エネルギーの最大40%ほどである。

 

同じくエネルギー効率の話だが‥家庭に送られてきた電気エネルギーで白熱球をつけると、その消費電力の10%が光になるにすぎない。LEDでは、30%が光として使える。

 

 

 

 

(*原発は最新のハイテク技術をあつまっており、これからも技術革新で改良されてゆくはず‥というようなことが漠然と言われるけれども、原発の基本的な発想が19世紀型の蒸気機関の発想である。しかも、原発推進者であっても、特に3.11福島原発事故以後の現在「東京に近辺に原発を作ろう」などとは言えるはずもなく‥したがって、上記した原子力発電のいわゆるエネルギー効率は飛躍的に高まることはあり得ない。

 

では、電気に変換されなかったエネルギーはどうなったかといえば、ほとんどが熱エネルギーとして捨てられていた。‥現代の各種発電では、この熱エネルギーとして捨てられていた部分を利用することでエネルギー効率を高める様々なまさにハイテク技術が開発されている。‥たとえば温排水を冷暖房に使うというような技術で考えると‥原発でも毎秒60トン?の温排水が出ると言われるが‥原発は電力消費地・居住空間近くには立地できない属性であるので、温排水位は捨てるしかない。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<参考文献>

(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)

 

 

・大島 堅一著『原発のコスト――エネルギー転換への視点 』(岩波新書2011年刊)

飯田哲也著『エネルギー進化論』(ちくま新書2011年刊)

 

広瀬隆著『燃料電子が世界を変える』(NHK放送出版2000年刊‥2011年改訂再版)