・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その2)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その2)
(*レジメを作る際に‥注記しませんが‥wikiなどを参照させてもらっています)
([*]以下は‥当ページ管理人・赤シャツの感想です)
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(D)過酷事故に伴う‥福島第一原発作業員の退避はあったのか?
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・2008年独立行政法人原子力安全基盤機構が製作した「原発過酷事故の趣味レーション映像」
(*映画『日本と原発』では、様々に基本的な資料が映し出されるが、どの資料も”原発推進”団体によって作られたものである。‥このことが、かえって、逆に‥脱原発を主張するこの映画の論旨の信憑性を補強している。)
・メルトダウンした核燃料が、格納容器を溶かしコンクリートに達し反応することで水素が発生する。→爆発を防ぐためにベントをしなければならない。もちろんベントされる排気にも高濃度の放射性物質が含まれる。→水素排出不完全→爆発
・14日18:22‥2号に水が入らず、22:00にメルトスルーが予測されたことをうけ、東電の清水社長は海江田経産大臣に電話をかけ、作業員の福島第一原発からの撤退、退避を打診している。
・当時福島第一原発には、東電社員755人と下請け作業員5660人、合わせて6415人が残っていた。
・15日未明‥菅首相と清水社長会談の後‥政府首脳は東電は作業員を退避させようとしているとの認識のもとに‥菅首相が東電本社に乗り込む。
(*…
・午前4時: 菅首相、官邸に呼んだ清水社長に「撤退はありえない、合同で対策本部をつくる」と通告。東電へ直接出向く。
・5時35分に東電本社に到着した菅首相が、東電幹部を前に行った演説の再現‥
(『日本と原発』では、木村英昭著『検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間』の記述にもとづいた‥テロップ・朗読)
・6時14分: 2号機で大きな爆発音 …
6時20分:放射線の急上昇。
‥この事態に作業員650人が福島第二原発へ避難を開始。
国会事故調の聞き取りに対し吉田昌郎所長は「”いつでも退避できるように準備をせよ”と指示したのだが、現場の混乱によって正確に伝わらず、作業員たちが退避を開始してしまった。‥しかし、結果的にみればよかったのかもしれない‥」という趣旨の発言をしていた。
・残った作業員は70人
(7時20分~4時間あまり‥原子炉の様子を記録しているパーラメーターの記録は残されていない。‥このことは、中央制御室で作業することが困難な放射線量であったことを物語る。)
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・3月25日、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が内閣に提出した「最悪事態予測」の映像。
(もし4号機の燃料プールにあった大量の使用済み燃料が燃えだすと打つ手がなくなり‥原発から半径170キロ圏内で、土壌中の放射性セシウムが1平方メートルあたり148万ベクレル以上というチェルノブイリ事故の強制移住基準に達すると試算。東京都のほぼ全域や横浜市まで含めた同250キロの範囲が、避難勧告が必要な程度に汚染されると報告していた。)
(*この件は、米軍も一番恐れていた。自衛隊の空中散水4号機冷却作戦は日米の共同で立案され、風向きや不測の事態に備え、百里基地、山形空港、太平洋上の空母ロナルド・レーガン三方面のいずれかからの発進が検討されていた。)
(*川内原発が「新安全基準」に適合したことを根拠に再稼働されようとしている。‥先日「高浜原発差し止め・仮処分」判決でも触れられていたと思うが‥原子力規制庁のいわゆる「新基準」では、‥福島第一原発事故で稼働していなかった4号がその内部に設置している燃料プール‥すべての原発が持つ‥で冷却中の使用済み燃料の冷却不能によって、危機に陥ったにもかかわらず‥使用済み燃料プールの対策が全くと言っていいほど考慮されていない。)
(*『日本と原発』ではのちに‥原子力規制庁とその「新基準」についてどう考えたらよいのか述べられてゆく)
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<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・木村英昭著『検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間』(岩波書店2012年8月刊)
・今西憲之、 週刊朝日取材班『福島原発の真実 最高幹部の独白』(2012年3月刊)
・国会事故調‥報告書
(平成23年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故の事故原因の究明のための調査・提言を行うために、日本の憲政歴上初めて国会に設置された独立した国民のための調査機関です。‥国会図書館ホームページより)
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/
・阿部知子議員の質問に答える‥原子力委員会委員長近藤駿介氏「火事場は見ているだけ」(2011/4/26 衆議院 科学技術特別委員会)