映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その6)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その6)
(*作業中)
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(M)原子力発電は、本当に安いのか?‥大島堅一さんのお話‥
・「原子力発電を止めることが、いちばん経済的」と話されたのが印象的。
・安全対策費も立地対策費も計算外(原発の発電コストに含めない)であるので、原発の電気料金は見かけ安く見えるだけだ。
・今回の、いまだ継続中の福島第一発電所によって、その事故処理費が莫大であることがはっきりした。‥2014年現在で13兆円がかかるとされており、メルトスルー溶融燃料がどこにあるのか把握もできていない状況下、廃炉、その先、気の遠くなる年月にわたって管理を必要とするの大量の汚染土・核廃棄物を勘案すれば‥20兆円が現実的であるが‥本当のところは、これらにかかる費用は青天井である。
(*気になるのは‥この4年間にわたる「復興」の名の下の「除染」[小出裕章さんの言うところの移染]によって‥ゼネコン・土建屋さんグループが、[原発は事故も商売になる]という常識もってしまったのではないかということ‥)
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(*‥以下‥先日、ある「脱原発」を装ってる‥と僕がかってににらんだ‥ブログに書き込みしてみたら‥30件くらいの反論?を受けた。‥その趣旨はほとんどが‥
「なんだかんだいっても、原発‥安いいよね‥原発止めたら、電気料金高くなる。‥再稼動して電力会社儲けさせて、その儲けを廃炉費用に回した方が現実的で、”脱原発”への近道」
というようなものだった。反論するのもバカらしくやめた。
‥この「原発は本当に安いの?」については‥以下で‥
<福島みずほ対談28 大島堅一さん「原子力発電費用は安くない」>
youtu.be/87NsvBNWitE
‥によって、もう少し考えてみることにした。
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(*以下‥悪意はないのですが‥相当に僕の個人的解釈によって口調や内容が変更されてしまってるかもしれません。)
福島:
・再処理の費用は18兆で直接処理よりはるかに高くつくと2000年代に国会で追及したが、当時は関心を持たれることがなかった。
大島:
モデル計算上は原発コストは5.3円(1kw/hか?)とされているが‥様々発電コストがこのモデル系さんからは外されている。
(ⅱ)もんじゅの研究開発費、もんじゅの事故後の維持費などは入っていない。(近年ようやく、再処理関連の費用は、一部電気料金へ組み込まれただけである)
・しかし、以上のコストは別の形・国の税金として徴収されている。
大島:
・再処理の費用はほとんど電気料金に入っていなかった。再処理だけで11兆、バックエンド処理費を含めると18.8兆のごく一部が電気料金を算出する際のコストとされているだけだ。‥これらのコストは国の事業であるので、税金の形で徴収されている。
・再処理費用の18.8兆は、あくまで六ヶ所再処理工場でかかる費用である。
‥(*六ヶ所再処理工場は度重なる事故のために現在稼動していないが、もし仮に(絶望的だが)万一稼動できたとしてもその処理能力は、600トンでしかない。‥しかるに、3.11福島第一原発事故以前の列島全原発から出る核廃棄物は少なくとも1000~1600トンなので、‥六ヶ所再処理工場以外に処分施設が考えられなくてはならないはずだが‥もちろんそんな費用は勘案されていない)
大島:
・もう一つ、福島第一原発事故でも‥①廃炉費用②住民保障③労働者被曝‥などは、原発の発電コストとして勘案されていない。‥しかし、現在も継続中の福島第一原発事故を見れば、この①~③にかかる費用は、青天井であると予想される。
(*「原発再稼動によって電気料金の高騰を、抑えました」という見せかけの宣伝がなされ、‥実質的には増税という形で原発事故後始末のコストを払わされる。)
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大島:燃料費高騰は、原発を使わないのだから増大するのは当たり前。‥しかし、そのような論者は、原発を廃止した際には(*以上のように累々述べてきた)経費経費がおおきく節減されることには言及しない。
すくなくとも‥現在電力9社が‥原子力発電にかける経費は‥年間1.7~1.8兆円‥はいらなくなる。
(*一時期、安倍首相が「原発停止と、それに起因する燃料費増大による’国富’の損失は3兆円」となかば人々を恫喝するように言い放ってたが‥この件については、河合弁護士が『日本と原発』の後半で論破している。)
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大島:産業流出論への反論
・企業が海外へ移転先を求める理由の最大要因は‥(ⅰ)人件費が安いこと(ⅱ)移転先の市場規模。
・電力コストの増大を理由として海外移転およぶなどということはない。‥つまり‥
「統計的に見て、主要産業の総製造コストに占める電力コストの割合は1~2%でしかない。」
・仮に電力コストが10%上がったとしても、全製造コストに占める増大は0.1~0.2%である。‥これに比べたら、為替の変動の方が‥産業個別の差はあるがマクロで見ると‥よほど大きく響く。
福島:もうアルミ産業のように、電力コストの割合が膨大な企業は、とっくに海外移転を終えてしまっていますしね‥
大島:個別産業で言えば、この国で大きな雇用を抱える自動車産業における電力コストは1%未満です。
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福島:自然再生エネルギーは今まで普及してなかったこともあり、初期投資はたしかに大きいが、一度テイクオフできれば以降はどんどんコストが下がって行く。
(*一方原子力発電では‥社会的システムが出来上がっていて、見かけは安く見えるが、法律に守られ、システムのなかで間接的に諸費用が払わせられている)
大島:その意味で固定買取制の法制化の意味は大きい
(*固定価格制度、フィードインタリフ制度、電力買い取り補償制などとも呼ばれる。地球温暖化への対策やエネルギー源の確保、環境汚染への対処などの一環として、主に再生可能エネルギーの普及拡大と価格低減の目的で用いられる。設備導入時に一定期間の助成水準が法的に保証されるほか、生産コストの変化や技術の発達段階に応じて助成水準を柔軟に調節できる制度である。適切に運用することにより、費用当たりの普及促進効果が最も高くなるとされる。
世界50カ国以上で用いられ、再生可能エネルギーの助成政策としては一般的な手法となっている。その一方、価格の設定次第で普及速度が過小もしくは過大になる危険性がある。
*‥菅内閣末期、2012年7月1日、対象を太陽光発電以外の再生可能エネルギーにも拡げ、余剰電力買取制から全量買取制に制度を変更(全国一律の回収単価)された。‥‥wikiより)
大島:固定買取制の法制化の意味は大きいが、発送電分離がなされないと、電力が地域独占が続く限り、固定買取制がスムーズに機能しにくい。
(電力の地域独占:[「電力自由化」はなされているというが、新規電力会社は売電・小売をできるわけでない]
発電→送電→配電→小売が直列的に10大電力によって独占されているために、ある地域で電力が足りず、しかもまたある地域では電力が余っていても、余剰電力が融通されることがない。‥この理由で、各独占地域電力会社は余剰をもちたがらず再生エネルギー等の買取が進まない現因となる。)
(*個人的には‥一概に発送電分離だけで、この問題を語るのは危険かもしれないと思う。‥この件については、『日本と原発』後半で‥”御当地電力会社・市民発電所への取り組み”‥について、飯田哲也さんのお話がある)
福島:では、なぜそのような経済合理性のない原子力発電がなぜ続けられてきたのでしょう?
‥東電の広告費は約80億円で、しかも電気料金に組み込まれている戸言うような、電気料金体系の問題もある。
‥なぜ、原発を持つ電力会社だけが、今回の原発事故事故保証の限度額設定や、いわゆる電源三法などでで守られてきたのかというのが疑問です。
大島:‥保険会社の原発事故保証に限度額を設けると言うことを政府が言い出すということは、それ自体が原発は市場原理の中では無理だということを表している。
‥市場原理に任せておいては原発を持つ電力会社はやってゆけない。たとえば、これからどれくらい続くかわからない福島原発事故のように原発事故保証、事故処理費は青天井な訳だから、青天井部分は財政、つまりは国民の税で補うことにしようとしているわけです。
(N)飯田哲也さんのお話
・「3.11以前の日本では、メディアに”原子力ルネッサンス”といった言葉が躍り、あたかも世界全体で原発の復興期を迎えていたかのように考えられていました。
ところが現実には自体は全く逆の方向に進んでいたのです。図表1は、これまでに世界全体で建設された原発の時期と総量を示したものです。これを見ると、今後、世界的に原発は急速な縮小機を迎えていくことがはっきりわかります。これは、初期に原発を建設した米国・日本・欧州で、いずれも原発が急速に老朽化(経年劣化)しているからです。
経年劣化による事故を回避するために、原子力発電所には寿命のようなものが与えられています。その年数は世界各国でばらつきがあるのですが、日本では耐用年数は当初30年とされ、その後10年の延長を含めて40年と考えられてきましたが、近年は特段の根拠もないまま寿命を60年にする動きもありました。
ところが、これまでに世界で閉鎖された原発の平均寿命は22年です。」(飯田哲也著『エネルギー進化論』)
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・北海道浜頓別町にある1000kwの市民風車は「総事業費は2億円で、補助金は1円も入っていません。採算はもちろんとれていて、10年間続けて約3%の年間配当」を出している。(同上)
このプロジェクトの準備段階から飯田さん(同名でややこしいが‥)もかかわっている。
2004年市民出資の発電所は、デンマークの環境エネルギー事務所(p168~170に詳述)をモデルとしており、地域における自然エネルギーの推進拠点めざすのは‥以下の3点
(ⅱ)地域コミュニティーとの関係を作ることの機能
(ⅲ)自治体との政策協力や提案というシンクタンク機能
ファイナンス面としては、主な出資は市民出資、環境省の補助金。足りない分を飯田市、長野県、そして全国から出資を募った。‥その結果1ヶ月間で合計2億円のファンドが集まった。
200kwくらいの規模で事業を開始、今では2000kw超えの発電所に成長。‥”ゼロ円ソーラ”‥一般の方に初期投資ゼロ円で太陽発電の設置を進める事業などの新しい仕組みも生み出している。
ある程度成功はしているものの‥プロジェクト実現には行政的、法的にかななりの困難を伴った。‥
このプロジェクトの中心を担った「おひさま進歩エネルギー株式会社」さん
http://www.ohisama-energy.co.jp/diary/pg231.html
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・LEDの話
原子力発電所では、核分裂エネルギーでお湯を沸かし蒸気を作り→タービンを回して電気を生み出すが‥この過程で、最初100あったエネルギーのうち50パーセントが失われる。さらに、→原発は危険なので発電所の所在地と電力の消費地の距離が極端に離れているために、その間を結ぶ送電ロスが発生し‥さらに10%が失われる。なので、当初の核分裂エネルギーの最大40%ほどである。
同じくエネルギー効率の話だが‥家庭に送られてきた電気エネルギーで白熱球をつけると、その消費電力の10%が光になるにすぎない。LEDでは、30%が光として使える。
(*原発は最新のハイテク技術をあつまっており、これからも技術革新で改良されてゆくはず‥というようなことが漠然と言われるけれども、原発の基本的な発想が19世紀型の蒸気機関の発想である。しかも、原発推進者であっても、特に3.11福島原発事故以後の現在「東京に近辺に原発を作ろう」などとは言えるはずもなく‥したがって、上記した原子力発電のいわゆるエネルギー効率は飛躍的に高まることはあり得ない。
では、電気に変換されなかったエネルギーはどうなったかといえば、ほとんどが熱エネルギーとして捨てられていた。‥現代の各種発電では、この熱エネルギーとして捨てられていた部分を利用することでエネルギー効率を高める様々なまさにハイテク技術が開発されている。‥たとえば温排水を冷暖房に使うというような技術で考えると‥原発でも毎秒60トン?の温排水が出ると言われるが‥原発は電力消費地・居住空間近くには立地できない属性であるので、温排水位は捨てるしかない。)
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・大島 堅一著『原発のコスト――エネルギー転換への視点 』(岩波新書2011年刊)
・飯田哲也著『エネルギー進化論』(ちくま新書2011年刊)
・広瀬隆著『燃料電子が世界を変える』(NHK放送出版2000年刊‥2011年改訂再版)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その5)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その5)
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(I)原子力規制庁と、そのいわゆる「新規性基準」に欠落しているもの‥(鈴木大介弁護士のお話?→田中三彦さんのお話)
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・3.11福島第一原発事故以前は、「原発は過酷事故は起こさない(いわゆる”安全神話”)」が前提だったが‥
→3.11事故を契機として組織された原子力規制庁は、「過酷事故は起こる」を前提する‥へ変化している。(当初、新組織の名称として「原子力安全庁」が取りざたされたが‥結局「原子力規制庁」と命名されたことに、この重大な変化があらわれている。)
・以上は、原子力規制委員会委員長が「原発は絶対安全とはいいきれない」とか「”世界一安全な日本の原発”とは、たんなる政治的な言い回しでしかない‥」云々との発言に端的に語られている。
・問題は、「過酷事故は起こる」を前提する新組織に生まれ変わったはずであるにもかかわらず‥
「過酷事故さえ、起こさなければ対策は必要ない」という基本姿勢であること。
・田中三彦さんは‥「契約違反」という言葉を使っていた。‥地域住民と電力会社の契約の大前提が、「過酷事故は起こらない」→「過酷事故は起こりうる」に変化した。‥であるにもかかわらず、規制庁は抜本的な対策を取らずに、「新たな安全神話」を作ろうとしている。
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↓(J)原発事故とは‥‥「国(策)破れて、山河も無し」‥交通事故などの「個」の死に対する‥「種(人類・社会・地域コミュニティ)」の死である。‥‥
・波江町長さんの話「3.11原発事故前‥6校の高校があった浪江町の生徒たちは、現在全国各地で699校に通学している。」‥
「事故以前‥国と東京電力は、”原発は絶対安全”と言っていたのです。‥だから事故の加害者は、国と東電である。‥なのに、国も東電も自分たちも津波の被害者であるかのようなををし続けている。」(*怒)
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・「科学とは、失敗の原因を究明し、その欠陥を修正し進歩してゆく」ということが言われるが‥原発事故では、今回の福島第一原発事故を見てもわかるように、放射能とその放射線のために現場に近づけず原因究明は不可能である。
(*このシナリオが、電力会社の火事場の「焼け太り」体質を作りだしてきた‥とおもう)
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・外国の放送局が現在のフクシマの状況を伝えていた。
「いま、福島の住民の命を奪っているのは放射能ではなく…自殺です」
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・2014年8月、福島地方裁判所は「自殺と原発事故の間には因果関係があり、生まれ育った地でみずから死を選択した精神的苦痛は極めて大きい」として、東京電力に対して遺族に合わせて4900万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
・この判決の「遺族」の女性が、現在進行中の帰還推進事業に対して‥
「たしかに線量は下がっているのかもしれないが、他は何も手つかづ‥福島第一原発の煙突が見えるんです。‥‥再稼働は絶対やってはいけない」と語った。
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・福島県浪江から山形県長井へ‥新天地で再起‥鈴木酒造店 ‥銘柄(長井蔵、磐城寿)‥ホームページは以下です。
http://www.umaisake.ne.jp/goods/nihon/iwaki_kotobuki/
(K)福島第一原発の汚染水問題
・福島第一原発は、建設当初‥山を削り地盤を20メートル掘り下げ敷地を造成した。‥したがって、建設当初から地下水の湧出があり原発敷地内に地下水抜きのための井戸が何本も掘られていた。
・2011年6月、スラリー壁を1~4号機の建物外周地下にめぐらせる計画があったが、東電破綻が噂されるなか開かれようとしていた株主総会を前に、先送りされた。
・その結果‥3.11以来‥セシウムは20兆ベクレル、ストロンチウムは10兆ベクレル‥全体で300~400兆ベクレルが太平洋に流れ出し‥流出は現在も続いている。
・2015年2月26日‥asahi.com (*初めからわかってたことなのに‥相変わらずである。「またかっ」と‥慣らされてはいけないのだろう‥)
”汚染水流出、公表すべきと「思わなかった」 東電”
http://www.asahi.com/articles/ASH2V5FQ6H2VULBJ008.html
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・10万年にわたって(*‥そもそも、いったい‥そんなに長く人類が続くんだろうか?)管理しなければならないといわれる原子力発電による核廃棄物。‥世界中で最終処分場が決まっているのはフィンランドのオンカロだけだという。
(*フィンランドは電力需要のおよそ3割を原子力発電にたよっている。‥しかし、原発の安全性に対してはかなり厳しい。
‥原発の安全と責任感を示すため、電力会社の本社は原発の敷地内に建設されている。
‥核廃棄物最終処分場オンカロは、地殻変動が数億年なかった岩盤に立地している。地震が少ない国であるが、地震計は日本の2倍設置されている。
‥フィンランドでは再処理を考えていない。原発からの直接処分である。
<覚悟がとんでもないフィンランドの原発事情>さんは、フィンランドがなぜ原発を必要としているのかも含め以下にまとめていた。
http://matome.naver.jp/odai/2134094909236897801)
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・『100,000年後の安全』[2009年公開、マイケル・マドセン監督]‥
渋谷のアップリンクさんが、2011年4月に緊急公開してたのがおもいだされる。‥『日本と原発」にメッセージを寄せている小泉元首相もこの映画を見て脱原発へと考えを変えたと伝わる。
(*‥ついでだけれど、2014年の都知事選挙で、小泉さんに支持された細川元首相が立候補し、『日本と原発』の河合監督は彼らの陣営を支持した。‥いっぽう、前年12月に全候補者中最も早く無所属で出馬表明した宇都宮健児さんを推していたのが、『日本と原発』を監修した海渡さんだった。‥そういった曲面を乗り越えて、この映画は作られたのだと、わたしは勝手に理解することに決めたのだった‥)
・再稼働?‥再稼働すればまた核廃棄物が出る‥貯蔵施設も最終処分地も気まらないままに‥
[*rima(アベ政治を許さない)さんのツイートから画像拝借]
(*福島第一原発事故が起こるまでは、列島全原発から出る核廃棄物は1000~1600トン‥いっぽう、破綻した再処理サイクルであり操業停止が続く六ヶ所村再処理工場が万一稼働できたとしてもその処理能力は600トンでしかない。‥‥だから、上の図のようになってしまうのは、あたりまえなのだ。‥
‥だから、福島第一原発4号機には1500本以上の燃料棒が冷却されるような事態があったこととも無関係ではない。‥原発推進側も推進側も、こんなことはよく心得ているので、燃料棒を納めるキャスクの隙間を狭め、少しでも大量に燃料プールに収めようとするような姑息なことでやった。このことは、当然、地震動に弱くなるわけで停止中の4号爆発の際も関係性が疑われていた。‥‥燃料プールの問題や、同様に核のゴミを減らすために考案されたMOX燃料についても「新規制基準」で‥3.11事故以前から強化されたという話を聞かない。)
↓
・(*福島第一原発事故による核汚染物の原発敷地内空撮映像‥次の津波を待っているかのようだ‥
・小出裕章さんが、「電力不足はありません」と断言する。「なにもも‥このことは私が言っているのではなく、政府統計局のデータを見れば電力不足がないことが分かるのです」
(*7月22日現在‥原発ゼロは676日間続いているので、電力不足がないことは、肌で感じられるようになった。‥であるから原発推進側は、この暑い夏も「電力不足」を声高に喧伝しなくなった。‥‥しかしいっぽう、専用の原発一基分の電力を必要とすると言われるリニアー新幹線の着工や‥福島汚染水対策の凍土壁[電気代が月間1億円も効果がなかった]や東京オリンピック
‥大量の電気需要を必要とするプロジェクトを次々進めてしまってる。いつの日にか「電力不足」の大合唱を再現するために‥‥か)
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・中嶌哲演×小出裕章『いのちか原発か』(風媒社 2012年刊
・佐久間稔『わが職業は死の灰の運び屋』(創隆社1986年刊)
(*…
(a)原発立地指針を変更して‥原発から半径10キロ圏~30キロ圏の居住制限区域を設けるということもなかった。‥いぜんからアメリカでは居住制限区域を設けられている。この国の原発が「絶対安全」から「過酷事故は起こりうる」前提へ変化したのであれば、当然そうした居住制限区域は定められなければならないであろう。
(b)「原発震災」を経験したにもかかわらず、社会的にも、原発の設備・機器的にも‥多重性や複合性が全く考慮されていない。
(ⅱ)「”過酷事故さえ、起こさなければ対策は必要ない”という基本姿勢に変更」したにもかかわらず‥過酷事故を起こさないための規制・対策も不十分である。
・福島第一原発事故では、外部電源の喪失(地震による送電鉄塔の倒壊による‥)が一つの大きな原因であったにもかかわらず、「新規性基準」でも、送電設備の強度について最重要項目に入っていない。
(ⅲ)福島事故ではバックアップ電源(非常用発電機)が同じ場所に設置されていたために同時に複数台故障した。‥にもかかわらず、これに対する対策も考慮されていない。‥事故の進捗状況を見極めるための計器類についても重要視されていない。
(ⅳ)2007年、中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所事故で、事故対策等が使えなかったことを教訓としてとして、福島第一原発に3.11の半年前に免震棟が完成し、まがりなりにも、今回の福島第一原発事故では大きな役割を担った。‥‥にもかかわらず、現在免震棟がないにもかかわらず、「建設の予定がある」との電力会社の言い分だけを聞いて、規制庁は大飯、高浜、そして川内原子力発電所は「新規性基準」に適合しているとの判断を公表した。‥‥‥‥‥)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その4)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その4)
(*レジメを作る際に‥注記しませんが‥wikiなどを参照させてもらっています)
([*]以下は‥当ページ管理人・赤シャツの感想です)
(作業中)
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(G)いわゆる「原子力ムラ」相関図の説明‥
原子力村の相関図‥
※河合弘之弁護士初監督作品・映画『日本と原発』の図を参考に、一部変更し使用させていただきました。
(*<富士市の環境と子供達の健康>さんのページより借用)
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(*電源三法…[1974年制定]
1.電源開発促進税法
3.発電用施設周辺地域整備法
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「発電所には様々なデメリットがある。一番わかりやすいのは放射能汚染の危険がある原子力発電所であるが、火力発電所や水力発電所や地熱発電所にもデメリットは存在する。発電所の建設により、建設される地域にとってはメリットはほとんどなくデメリットだけが存在するという状態におかれるため、発電所を建設される地域には当然反対運動が発生する。その反対運動に対してメリットを提示するのが、この電源三法に基づく交付金である。」‥wikiの解説)
↓
総括原価方式
(*電力会社は、コストの3%を儲けて良い。その分を電気料金に上乗せして良い。つまり必ず儲かる←‥電力会社は公益企業であるから、一面の合理性はあるのだが‥‥営利企業としての電力会社的の立場で見れば‥たとえば、発電設備の発注時、一般の企業とは逆に、入札された建設費が高ければ高いほど利益が出る。ということにもなる。)
(*以上のことは、たとえば、3.11以後4年半ほぼ原発は稼働していない状況下、当初、声高に「電力不足」が喧伝された。しかし、暑い夏も寒い冬もなんども経験し完全に原発稼働がゼロだったこの約2年間もは、全く「電力不足」の宣伝すら無くなった。‥‥どうしてだろう?
‥原発は定期点検で長期停止しなければならないこともあって、実は、手持ちの原発発電量に見合う、その他のいわばバックアップ発電所を持たざるを得ない。‥一般企業であれば、普段は稼働していないバックアップの発電設備は経営を圧迫するだけだが、電力会社は、これらを持つことによってかえって高収益を保証されるという法的な保護があることになる。‥
‥こんな余剰電力があることを一番よく知っているのは電力会社であるのに、彼らは、福一事故直後からマスコミを総動員してに”空騒ぎ”を演じて見せたのだ。‥一体なんのために?)
・メガバンクの役割
↓
元通算官僚・古賀茂明さんのお話
・以上のような総括原価方式のカラクリがあるので、地方では、政治家も一般企業も10大電力には逆らえない構造になっている。
・官僚はなぜ?原発に、かくも肩入れするのか?‥最大は、天下りのため。
「‥次官の最重要の仕事は、天下り先を手配すること。‥次官の最も嫌な仕事は‥渡り・天下りを繰り返した先輩に、印籠を渡す・引退を勧告すること」
↓
幕間‥河合、海渡・木村さん‥料亭での会話
・「多数決が一般的な社会にあって‥‥たった一人で正義を争える場所としての裁判」‥河合さん
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(H)「夢の核サイクル」のウソ‥‥自己完結型永久エネルギー構想のウソ
・原子力発電→使用済み核燃料(核廃棄物)の発生→再処理(青森六ヶ所村再処理工場)→再生した燃料にて高速増殖炉(敦賀半島のもんじゅ)で発電→使用済み燃料(核廃棄物)の発生→再再処理→発電へ‥永遠の循環か?
・ところで、以上は’絵に描いた餅’であって、実現の見込みはない。‥六ヶ所村再処理工場も、高速増殖炉もんじゅも度重なる事故によって稼働のめどは立っていない、というより完全に頓挫している。
・では‥なぜ、このような’絵に描いた餅’計画が喧伝されなければならなかったか?‥
この夢のリサイクルが可能でないなら、ウランは石油や石炭に比べべようもないほど埋蔵量の少ない、ただの地下資源でしかなくなってしまうからである。‥
・では、なぜこのような虚構の上で原子力政策が推し進められたのか?‥
以下は、原発推進側も福島第一事故以前はほとんど語らなかったが‥事故後‥上記「夢の核サイクル」のウソがばれると、顕在化した。‥「核爆弾の製造可能潜在力による抑止論」が原発を推進してきた有力政治家からあからさまに発せられるようになった。
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その3)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その3)
(*レジメを作る際に‥注記しませんが‥wikiなどを参照させてもらっています)
([*]以下は‥当ページ管理人・赤シャツの感想です)
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・体内被曝であるので、したがって細胞成長の著しい、平均余命が長い子供達に最も影響が大きい
・放射線障害は、ガンに限られるものではない。
(*ヨウ素は甲状腺、セシウムは筋肉、ストロンチウムは骨に蓄積される。‥)
↓
(1)アナトーリー・チュマク氏(ウクライナ放射線医学研究センター副所長)
・岩波ブックレット「ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち」
・映像報告「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」
↓
(2)エフゲーニャ・ステバノワさん(医学博士、ウクライナ放射線医学研究センター 放射線・小児・ 先天・遺伝研究室長。ウクライナ名誉博士)
・チェルノブイリからの警告 ~5万人の子どもを診察したエフゲーニャ・ステバノワ医学博士
↓
(3)コンスタンティン・ロガノフスキー(ウクライナ医学放射線医学研究センター所長)
・<太郎のブログ>さんに、(週刊現代2011年7月16日・23日合併号に掲載されたコンスタンティン・ロガノフスキー博士へのインタビュー(フリージャーナリスト大和和基氏による)が、テキスト化されていた。
↓
(*「津波」が事故を拡大させたのは間違いないであろうが、‥その「津波」は喧伝されたような「想定外」だったのか?)
・2008年に東電は文部科学省の地震調査研究推進本部の試算をもとに、津波の遡上高を再試算していた。再試算の結果‥建設当時の予測を大幅に上回る15メートルなることが重役会議で取り上げられたが、東電幹部(吉田昌郎所長も関与か?)がにぎりつぶす。→2011年ようやく福島第一原発事故の3日前に保安院に報告された。
2011年8月24日22時14分 読売新聞‥(*<Everyone says I love you !>さんが魚拓しておられた。)
< 東京電力が、福島第一原子力発電所で、同社の想定を大きく上回る高さ15メートルを超える大津波が遡上する可能性があると2008年春に試算しながら、津波対策強化に生かしていなかったことが24日、わかった。
これまで東電は、政府の事故調査・検証委員会に対し、高さ10メートル以上の津波の可能性があるとの試算を説明してきたが、15メートル超の遡上高の試算が明らかになるのは初めて。東電は、結果を、東日本大震災4日前の今年3月7日に経済産業省原子力安全・保安院に対し報告していた。
福島第一原発は3月11日の東日本大震災の際、試算結果とほぼ同じ高さ14~15メートルの津波に襲われた。
東電によると、文部科学省の地震調査研究推進本部が02年7月に三陸沖から房総沖を震源とする地震の発生確率などを公表したのを受け、東電は、08年に明治三陸地震(1896年)規模の地震が、福島県沖で起きたと仮定して、福島第一と第二の両原発に到達する津波の高さを試算した。
その結果、第一原発の取水口付近で高さ8・4~10・2メートルの津波が襲来。津波は陸上に遡上、1~4号機で高さ15・7メートル、同5・6号機で高さ13・7メートルに達すると試算した。>
(*この件については、先月あたりから、詳しい報道が何本かあり、[レジメ1]にリンクをとったので参照ください。)
(*現在でも、原発の様々な危険性の調査チェックは、基本的にまずは電力会社がやることになっている。報告を受けた規制庁がチェックする流れ。‥‥)
↓
・田中六彦さんの話
・バブコック日立に原子炉圧力容器設計技術者として勤務。1986年チェルノブイリ原発事故を視察して‥
「ひとたび事故が起こると社会全体が崩壊してしまった」ことを目の当たりにする。
(*個人的な被害を超える社会全体の崩壊の可能性を孕む原発事故)
・事故直後から「想定外の津波原因」説がいっせいに喧伝されたのはなぜ?
(*東京電力はすでに2007年、中越沖地震が原因で原発が大破する経験があったために‥東電自身が「原発は地震で壊れたと容易に想像できたので‥即座に「原因は地震ではなく想定外の津波である」と喧伝できた。‥つまり、地震が原因であるとされてしまうと、地震列島に立地するすべての原発は危ないとされてしまう‥ことを恐れた。)
・津波の2分前に1号は壊れていた。
15:37…総電源喪失
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・ナタリヤ・E.プレオブラジェンスカヤ星川淳 監訳『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店2013年刊)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その2)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その2)
(*レジメを作る際に‥注記しませんが‥wikiなどを参照させてもらっています)
([*]以下は‥当ページ管理人・赤シャツの感想です)
↓
(D)過酷事故に伴う‥福島第一原発作業員の退避はあったのか?
↓
・2008年独立行政法人原子力安全基盤機構が製作した「原発過酷事故の趣味レーション映像」
(*映画『日本と原発』では、様々に基本的な資料が映し出されるが、どの資料も”原発推進”団体によって作られたものである。‥このことが、かえって、逆に‥脱原発を主張するこの映画の論旨の信憑性を補強している。)
・メルトダウンした核燃料が、格納容器を溶かしコンクリートに達し反応することで水素が発生する。→爆発を防ぐためにベントをしなければならない。もちろんベントされる排気にも高濃度の放射性物質が含まれる。→水素排出不完全→爆発
・14日18:22‥2号に水が入らず、22:00にメルトスルーが予測されたことをうけ、東電の清水社長は海江田経産大臣に電話をかけ、作業員の福島第一原発からの撤退、退避を打診している。
・当時福島第一原発には、東電社員755人と下請け作業員5660人、合わせて6415人が残っていた。
・15日未明‥菅首相と清水社長会談の後‥政府首脳は東電は作業員を退避させようとしているとの認識のもとに‥菅首相が東電本社に乗り込む。
(*…
・午前4時: 菅首相、官邸に呼んだ清水社長に「撤退はありえない、合同で対策本部をつくる」と通告。東電へ直接出向く。
・5時35分に東電本社に到着した菅首相が、東電幹部を前に行った演説の再現‥
(『日本と原発』では、木村英昭著『検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間』の記述にもとづいた‥テロップ・朗読)
・6時14分: 2号機で大きな爆発音 …
6時20分:放射線の急上昇。
‥この事態に作業員650人が福島第二原発へ避難を開始。
国会事故調の聞き取りに対し吉田昌郎所長は「”いつでも退避できるように準備をせよ”と指示したのだが、現場の混乱によって正確に伝わらず、作業員たちが退避を開始してしまった。‥しかし、結果的にみればよかったのかもしれない‥」という趣旨の発言をしていた。
・残った作業員は70人
(7時20分~4時間あまり‥原子炉の様子を記録しているパーラメーターの記録は残されていない。‥このことは、中央制御室で作業することが困難な放射線量であったことを物語る。)
↓
・3月25日、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が内閣に提出した「最悪事態予測」の映像。
(もし4号機の燃料プールにあった大量の使用済み燃料が燃えだすと打つ手がなくなり‥原発から半径170キロ圏内で、土壌中の放射性セシウムが1平方メートルあたり148万ベクレル以上というチェルノブイリ事故の強制移住基準に達すると試算。東京都のほぼ全域や横浜市まで含めた同250キロの範囲が、避難勧告が必要な程度に汚染されると報告していた。)
(*この件は、米軍も一番恐れていた。自衛隊の空中散水4号機冷却作戦は日米の共同で立案され、風向きや不測の事態に備え、百里基地、山形空港、太平洋上の空母ロナルド・レーガン三方面のいずれかからの発進が検討されていた。)
(*川内原発が「新安全基準」に適合したことを根拠に再稼働されようとしている。‥先日「高浜原発差し止め・仮処分」判決でも触れられていたと思うが‥原子力規制庁のいわゆる「新基準」では、‥福島第一原発事故で稼働していなかった4号がその内部に設置している燃料プール‥すべての原発が持つ‥で冷却中の使用済み燃料の冷却不能によって、危機に陥ったにもかかわらず‥使用済み燃料プールの対策が全くと言っていいほど考慮されていない。)
(*『日本と原発』ではのちに‥原子力規制庁とその「新基準」についてどう考えたらよいのか述べられてゆく)
↓
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・木村英昭著『検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間』(岩波書店2012年8月刊)
・今西憲之、 週刊朝日取材班『福島原発の真実 最高幹部の独白』(2012年3月刊)
・国会事故調‥報告書
(平成23年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故の事故原因の究明のための調査・提言を行うために、日本の憲政歴上初めて国会に設置された独立した国民のための調査機関です。‥国会図書館ホームページより)
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/
・阿部知子議員の質問に答える‥原子力委員会委員長近藤駿介氏「火事場は見ているだけ」(2011/4/26 衆議院 科学技術特別委員会)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その1)
・映画『日本と原発』試写会‥‥レジメ(その1)
(*レジメを作る際に‥注記しませんが‥wikiなどを参照させてもらっています)
([*]以下は‥当ページ管理人・赤シャツの感想です)
(A)原子力発電導入の経緯
(1)「平和のための原子力」(Atoms for Peace)とは、アメリカ合衆国のアイゼンハワー大統領が、1953年12月8日にニューヨークの国際連合総会で行った演説で提唱した。(「核の平和利用」ともいう。)
・この国では‥広島、長崎の原水爆被爆経験があったればこそ、その爆弾のメカニズムを戦争の道具としてではなく平和の道具へ変換させたい‥と喧伝された。
・1955年‥原子力基本法(昭和30・12月19日、法律第186号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO186.html
↓
・1960年‥東海発電所[英国製の黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉](1月に着工、1965年5月4日に臨界到達)日本初の商業用原子炉。27年間の営業運転の後、1998年3月31日に営業運転を停止し、廃炉。)
↓
・1970年‥大阪万国博(日本最古の軽水炉と知られる敦賀1号炉[沸騰水型]は大阪万博の開会式の日に営業運転を開始し、万博会場へ初送電した。8月、美浜発電所[加圧水型]1号炉‥万博に向け送電。)
↓
・1979年3月28日、スリーマイル島原子力発電所事故発生。
(*この事故について『日本と原発』は語っていない。映画『チャイナ・シンドローム』 がスリー・マイル島事故の12日前に公開されていたことが興味深い)
↓
・1986年4月26日、チェルノブイリ事故発生。
↓
(B)2011年3月11日、福島第一原子力発電所事故発生‥
(*…10条、15条通報‥法律に則った書式による吉田フクイチ原発所長よりの‥経産大臣、福島県知事、大熊町町長、双葉町町長宛Faxからの抜粋…
・第10条通報‥吉田フクイチ原発所長よりの法律に則った書式による‥[経産大臣、福島県知事、大熊町町長、双葉町町長宛Fax]
特定事象の種類[選択項目13項目の中の8番、全交流電源喪失]
想定される原因、[選択項目‥故障、誤操作、漏洩、火災、地震、調査中、その他、書き込み用空白]の中の「地震」に丸印)
[ⅱ]16:45
原子力災害特別措置法第15条の1項の基準に達した時の報告様式[原子炉施設]
・15条通報ー1‥[経産大臣、福島県知事、大熊町町長、双葉町町長宛Fax]
・[原子力災害対策特別措置法15条第1項に規定する異常な水準の放射線量の検出または、原子力緊急事態に該当する事象が発生しましたので、以下の通り報告します。]
(*この時点で、10条報告から15条報告へ切り替えられている。)
・原子力緊急事態に該当する事象の発生個所として‥[福島第一原子力発電所1、2号機]
・事象の発生時刻‥「平成23年3月11日16時36分」
・その上で、発生した原子力緊急事態として、選択項目13項目の中の6番、[非常用炉心冷却装置注水不能]に丸印
・[2号機については原子炉水位監視ができないことから、ECCS系の注水状況が不明なため、原災法15条事象で判断]
(*‥10条通報の書式には選択項目に’津波’項目が用意されていないのだが、[原因]として「地震」が挙げられていることが興味深い。‥原因が地震であることはバブコック日立の原子炉圧力容器設計技術者・田中三彦さんが、『日本と原発』後半で語っている。)
(*想定外ではなかった津波‥津波の危険性を握りつぶしていた東京電力‥事故直後から指摘されていたが、ちょうど『日本と原発』の全国試写会が影響したのか‥この問題がニュースになっていた。
・2015年6月20日 、ライブドアニュースは、東京電力が巨大津波対策を怠っていた事実を伝えている。
<東電が2008年9月の会議で使った社内文書。「地震及び津波に関する学識経験者のこれまでの見解及び、地震調査研究推進本部(推本)の知見を完全に否定することが難しいことを考慮すると、現状より大きな津波高を評価せざるを得ないと想定され、津波対策は不可避」と結論づけていた。>
http://news.livedoor.com/article/detail/10253706/
・2015年6月25日 神戸新聞は、政府も巨大津波が福島第一原発が浸水する可能性を知りながら放置していたことを伝えている。
<東京電力福島第1原発事故が起きる10年以上前、福島沖で巨大地震が発生すれば8メートルの津波で同原発1~4号機が完全に浸水する、とした「津波浸水予測図」を国土庁(現・国土交通省)が作成していたことが分かった。>
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008148726.shtml
・2015年5月25日東京新聞に‥(*世界的な原発推進団体であるIAEAでさえ東電や政府を批判していて興味深い。)
<国際原子力機関(IAEA)は、その東京電力福島第一原発事故の最終報告書で「勧告した安全評価を十分実施しなかった」「国際的な慣行に従わなかった」。 東電や規制当局の認識の甘さを痛烈に批判している。 >という記事が出た。
・PDF「原発と大津波 警告を葬った人々 - 原子力資料情報室」
http://www.cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2015/01/c2dbe9d63d8fc94b0eac0fd6f58cbd20.pdf
(*‥
・僕[赤シャツ]は3.11の夜、”15条通報”を‥原子力情報資料室の情報経由で‥当時の内閣のホームページで見て今も保存している。‥
「あの東電のフクイチ所長が、”15条通報”出したんだから、まずいぞ‥確実に爆発だ」ってなことを考えビビリつつ、仮眠を3時間くらいした。
・以上は、事故が半年後くらいに抜粋したものです。映画『日本と原発』に出演している浪江町町長は、このFaxから見る限り、通報を受け取ってない。‥しかし、それは当時の原子力災害対策特別措置法に則ったことだったのか?)
↑
・東北地方太平洋沖地震発生(14時46分18.1秒)
(*福島第一原発への津波の到達時間は15時39分。その2分前の15時37分に福島第一原発は”全電源喪失”に陥っていた‥ことは『日本と原発』の後半で田中三彦氏があきらかにしている)
↓
・2011年3月11日、福島第一原発事故発生。
↓
・ 福島第一原発第1号機の危機が迫り‥政府は12日午後5:44に10キロ圏の避難命令を出す。(格納容器に溜まった水素のベント失敗に備えての措置‥つまり爆発に備えて‥)
‥これによって、請戸地区の津波被害者を、いわば見殺しにせざるを得ない状況が生まれた。
(*2011/03/24 12:56 「福島原発事故、捜索阻む 遺体多数が未発見か - 47NEWS」
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032401000053.html)
↓
・4月14日、立ち入り禁止地区での救出再開される。‥請戸だけで189人の遺体が収容された。
↓
↓
([1]‥原発は単なる湯沸かし器でしかない。核分裂エネルギーは湯を沸かして蒸気を作っているだけ。電気はその蒸気でタービンを回して発生する。‥19世紀に発明された蒸気機関から進歩していない。
[2]‥ウランの核分裂による死の灰・放射性物質の発生の不可避性。
[3]‥福島第一原発事故によって、セシウム基準で広島型原爆の186発分の死の灰が拡散した。)
(*川内原発が再稼動されようとしているが、実行されると、1年で使用済み核燃料2000トン増えてしまう。‥最終処分地も決まらぬままにである。)
↓
・東電の責任を追及する‥河合弘之弁護士演説
(*…『日本と原発』の監督でもある河合弁護士が関わる主な原発関連訴訟‥
・大間原発差止訴訟弁護団 共同代表
・福島原発告訴団弁護団 代表
・大飯・川内原発差止訴訟弁護団
・飯舘村民救済弁護団 共同代表…)
↓
・2008年独立行政法人原子力安全基盤機構が製作した「原発過酷事故の趣味レーション映像」
(*映画『日本と原発』では、様々な基本的な資料が映し出されるが、どの資料も”原発推進”団体によって作られたものである。‥このことが、かえって、逆に‥脱原発を主張するこの映画の論旨の信憑性を補強している。)
<参考文献>
(*‥赤シャツが蔵書しているものですので、読んでみたい方は、声をかけてください。貸し出しいたします。)
・山本義隆著『福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと』( みすず書房2011年8月刊)
・有馬哲夫著『原発・正力・CIA 機密文書で読む昭和裏面史』 (新潮新書2008年刊)
・石橋克彦著「原発震災 破滅を避けるために」(PDF)(岩波書店1997年)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/K_Ishibashi_Kagaku199710.pdf
(*被曝と被曝の間‥‥僕らは、広島長崎の映像だけは誰でもよく知っている。‥しかし、福島第一原発の事故後‥たとえば、高市早苗という自民党の代議士が「福島原発の事故では誰も死ななかった」発言が簡単に出てきてしまう一つの原因は‥原爆とは爆発であるというイメージの刷り込みがあるからなのではないだろうか?
「被爆はしたけれど広島、長崎は戦後立派に復興しているではないか、フクシマだってできないことはないさ」という気分‥は‥被曝のみが強調され被曝については知らされる機会が極端に少なかったことによって醸成されてるのではないだろうか)
(*原発震災‥
浪江町で現実化した放射能汚染による津波被害者の救出が不能となったことに端的に現れるような被害の社会的複合性。
天災は止められないが、原子力発電は止めることができる。)
(*福島第一原発での地震の揺れは、東北沖地震の震源に比べればかなり小さかった。‥この程度の揺れは、毎年のように列島各地で年一度は経験されてきているような地震である。
しかるに、その程度の揺れの地震で、津波の前に福島第一原発は壊れたのだ。)
『日本と原発』2015.07.11上映会(19時の回)
アンケート結果のまとめ(19時の回)
・”ドキュメンタリー映画を観る会・くびき野”‥第一回上映会…『日本と原発』
[注]:文中(*)以下は、当会からのコメントです。
(1)
とんでもない現実の中で今を生きていることを再確認しました。
もう原発はいらない。なくても大丈夫なのに政府は再稼動していることに怒りを感じます。
地震も大津波も予想されていたし、これからも 予知されているのに‥
もう 想定外ですまされたくは ないです。
(2)
上映してくださったことにまずお礼を申し上げます。
福島は決して他人事ではなく、私たち一人一人の問題です。
残念なことに、人々は皆忘れています。現実を直視、知ることは力だと思います。
人間の力の及ばない原発は決して再稼動してはいけないと思う。
脱原発です。
(3)
原発の再稼動のありえなさを改めて心に刻みました。
しかし、その代替としての風力や太陽光、LEDの可能性については疑問に感じ、残念に思いました。
風力にしても太陽光にしても未来への負の遺産を残すことになるし、LEDも有害なレザーだからです。
(*映画の中では、これら自然再生エネルギーについて、好意的に扱われていた。‥また、アンケートに答えてくださったこの方のように、自然再生エネルギーがまんいち負の遺産になるとしても‥どうして負の遺産が残るのか理由を書いておられないのだが‥映画では、人類を滅ぼす可能性がある原発事故と一般的交通事故・飛行機事故と同列に扱えないことが解説されてもいた)
(4)
上越市で、このような映画に関心を持っている方々が
たくさん集まっていることに驚きました。
関心ある人が 1つの力に なれないかと思います。
(5)
原発が1日も早くなくなりますように!
(6)
ありがとうございました。
(7)
とてもわかりやすい映画でした。
多方面からの説明、解説 未来のはなしなど
ありがとうございました。
(8)
大変良い機会を作っていただきありがとうございました。
原発再稼動反対の視点からのいろいろな映画今後も見たいと思います。
(9)
「日本と原発」の映画は今回で2回目です。1回目はとうきょうです。
原発じこをわすれかけているので 今回見にきました。
よかったです。
(10)
・BD、 DVD等が発売されていないのでしょうか?
・内容は、良いのですが、見に上映等で利用できるダイジェスト版(60分位)
・多くの方に見ていただきたく、上映機会が増えると良いです。
・観てみたい映画‥安全法案、食に関する内容
(*現在『日本と原発』はすでに半年以上、連日、全列島の有志が、試写会という形で上映会を行っています。制作会社によれば、観客数は3万人を超えたようです。
これらの試写会が一段落したところで、メディアの発売となるのではないかと思います。
先日、「柏崎刈羽原発差し止め訴訟」の公判では60分ほどのダイジェスト版が上映されたと聞いています。
・8月2日に柏崎で上映会が予定されており、河合監督が講演されるようです。)
(11)
うまく書けないが、被害者とか加害者、国の行政との間に
大きな温度差があるような気がする。
私もまだ現実を甘く見ているような気がする。
(12)
実に重たい議題ですね。
でも、今生きている私たちがどう行動をとるのか
原発に対する危機感はまだまだごく少数で、あると思います。
人間の欲望を大事にするのか、命を大事にするのかという 分かれめ ですね
・観てみたい映画‥葬儀に関する作品、人の命に関わる、作品
(13)
わかりやすく良かった。 原発反対!
一時のうるおいか 永遠の豊かさか、日本がこんなんになって悲しいです。
(14)
見る機会を作ってもらって、ありがとうございます。
色々、思う事がありますが、やはり原発はなくてもいいかなと思いました。
・「パパ遺伝子の組み換えってなあに?」「ダムネーション」 「聖者たちの食卓」
(15)
とても勉強になりました。観にきてよかったです。‥具体的な数字の裏付けを取っているので。
全市議会議員、県議会議員に「見てもらう上映会」をしてほしいです。
(*今回の上映会の参加者は総員100名ほどでした。‥確認できた方だけですけど‥県議1名、市議1名が鑑賞されていました)
(16)
自分は何をするか
行動を考えます
・アルプス。 遺伝子組み換え関係の映画。
(17)
ずっとずっと見たかった映画、本日見れました事 本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
たくさんの人たちに見ていただけたらいいと思います。
小さな力ですが 少しづつ広め 柏崎原発(*再稼働)も止めたい!!
がんばりましょう。
(18)
原発はいらない の意を強くしました。
本当に社会上層部にいる
金の亡者たち(もうじゃ)にはあきれます。
(19)
それは嘘だったという事が今日わかった。 ありがとうございました。
「ラジオフォーラム(*http://www.rafjp.org)」を凝縮したような内容ですね。
国富の流出は、論点が違うと思います。
日本人がかせいだお金が、ガソリン等を入れると
石油会社を通じて海外に流出するという意味では ないでしょうか?
・観てみたい映画‥この映画を何度も上映するのがよろしいかと思われます。
(*私個人としては‥経済畑の弁護士として長いキャリアのある「表も裏もある」(笑)・河合弁護士のわかりやすい解説だと思いました。
いわゆる「3.8兆の国富流出」論‥この部分は、これからギリシャ危機だの中国バブル崩壊だのとき機を煽る喧伝がなされるたびに原発推進側から、持ち出される事が予想されるので、別のページに、叩き台として河合さんのお話をテキスト化しようと思います。
蛇足で、少し話ずれますけど、もう京都議定書(1997)の頃から、ほとんど石油を燃やす火力発電なんてありません。‥この国の大量消費社会が変化しない限り、原発を続けようが、石油の大量輸入止まりません。‥そういった意味でも、今回の全原発停止に起因する燃料輸入代金の増大費用=3.8兆(為替変動分を含む)は、それほど大きな額ではないと思います。‥電力会社は、なるほど困るでしょうけど、それは今までの原発依存殿様商売のツケが回ってきてるだけです。‥9大電力会社が、抱える有能なスタッフの声に耳を傾ける体制に変化すれば、営業努力によってなんとかできない額ではないでしょう。)
(20)
人類は原子力を使用してはならない。
・観てみたい映画‥被災者たちの真の声が聞きたい
(21)
教訓に学ぶ 「生かす」ということは難しい。足尾鉱毒、水俣病、
「生かす」ことが不得手な国民なのだろうか
柏刈の上に登ったことがありますか
〇〇〇〇入り立つ炉心上では体のふるえがくる〇〇‥
(*後半不明‥‥‥)
(22)
改めて原発のとんでもなさを実感させられる
ドキュメンタリーでした。
(23)
「チェルノブイリを見ても また 福島があっても 日本人は、それを忘れようとしています」
という言葉が印象に残りました。
原発は、いらないですね。
(24)
この映画を見て強く感じました。
(25)
原発事故は人類の存亡に関わることがら、
人間普通の感性があれば、その問題の是非は
容易に分かる筈!
(26)
又、原点を思い出しました。
上映してくださって、感謝しています。
・観てみたい映画‥お世話様です。「小さき声のカノン」を、友人が新潟で見てきたパンフレットを借りて、見ました。上越で上映していただけるなんて‥
(27)
人間は愚かさから抜けられない。
同じ過ちを何度も繰り返す。
自らの愚かさに気づき、未来を掴む。
(*イッパンショミンは、たいがい「叩かれれば埃の出る身である」と自覚があるような気がするのですが‥人間として本来持ち合わせてるであろうそうした感覚が‥社会の上層に登りつけるにしたがい‥消えてっちゃうものなのでしょうか‥かれらから聞こえるのは、ただただ「叩いて埃を出させろ」だけです‥)
(28)
見たかった映画を見ることができてよかったです。
ありがとうございました。
感想の言葉がなかなか出てきませんが、
原発のない暮らしをどのように、合意のもとに実現してゆけるだろう‥‥と思案しています‥。